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イベント開催レポート

【事後レポ 9月19日開催】世界中のコンピューターを接続、OSに関係なく稼働するインターネットコンピューターを目指すDFINITY

  • 開催日 2018.09.19
  • 作成日 2018.9.27

DFINITYについて正しい情報をお伝えし理解を広げているDFINITYのDirector of CommunicationsであるArthur Falls氏をプレゼンターに迎え、2018年9月19日(水)BaseLayer株式会社のオープンスペースをお借りしてミートアップが開催されました。

スイスに本拠地を持ち、米国カリフォルニア州、ドイツ、日本にも支部があるDFINITYは、ブロックチェーン技術と、インターネットに接続されたコンピューターを世界規模のP2Pネットワークにすることで、無制限な分散型のコンピューター(インターネットコンピューター)の実現を目指すプロジェクトです。

また、リサーチ、DFINITYのプロトコルと他のシステムを統合したいと考えている会社や開発者のサポートなども行なっています。
さらに、ベンチャーキャピタル(DFINITY Ecosystem venture capital funds)をサンフランシスコ(主催:Polychain https://polychain.capital/)と上海(主催:Wanxiang http://www.blockchainlabs.org/index_en.html)で運営しています。

〜プレゼンター DFINITY Director of Communications Arthur Falls氏〜

 

Consensysでコンテンツマーケティング戦略を策定・実行したのち、DFINITYに合流。ジャーナリズム、コンテンツマーケティング、メディアプロダクションの経験を持っており、ブロックチェーン業界で有名なポッドキャスト開発にも関わった経験を持っています。

ブロックチェーンは始まりに過ぎない

 

現在、ブロックチェーンはBitcoin、Ethereumなど暗号通貨(仮想通貨)の技術としての側面が取り上げられていますが、今後、インターネットの仕組み、そのものを変化させるでしょう。

ご存知のように、インターネットは水道や電気といったインフラとなり、多くの企業や組織に利用されています。便利になった反面、常にデータの盗難、ハッキング、プラットフォームリスクにさらされています。

データ盗難やハッキングリスク

 

例えば、世界130カ国に拠点をもち世界最大の海運業であるMaersk(本社:デンマーク)が2017年にランサムウェアにより攻撃され、3億ドルもの損害を被りました。15分おきに1万〜2万個のコンテナを積んだ船舶が入港している状況で、どこにどの荷物が運ばれているのか、把握できない状況になってしまったのです。

 

補足:
この時、4,000台のサーバ、45,000台のPCを再インストールし問題を解決しました。しかし、スタッフはサーバーやPCを10日間一切利用せずに、紙ベースで処理を行いました。想像すらできない忙しさだったことでしょう。
(参考: NonPetya ransomware forced Maersk to reinstall 4000 servers, 45000 PCs

プラットフォームリスク

プラットフォームリスクとは、運営しているビジネスが外部のサービスやプラットフォームに頼ってしまうことで、さらされるリスクのことです。

このプラットフォームリスクは大きく5つに分けられます。

  1. 1.データの盗難
  2. 2.データの損失
  3. 3.ビジネス上のこだわり、方向性との衝突
  4. 4.あなたのビジネスが悪影響を被る可能性
  5. 5.ビジネスで使っているソフトウェアが、プラットフォームが変わると使用できなくなる可能性

 

例えば、あなたが製造販売する仕事をしているとしましょう。輸送はMAERSKのプラットフォームを、支払いはアリババやイーベイのプラットフォームを使用しており、これらのプラットフォームがビジネスに欠かせない状態になっています。
もしもMAERSKやアリババがハッキングやランサムウェア攻撃を受けてダウンしてしまうと、あなたのビジネスもダウンしてしまいます。

また、WindowsXPというOS(プラットフォーム)で動作し、Windows7というWindowsXPの後継OSでは動作しないソフトウェアが多数ありました。このためWindowsXPのサポート期間が終了しても切り替えることができず、企業や組織はセキュリティに問題がある状態のWindowsXPを使い続けざるを得ないのです。

ビジネスニーズに対処するソリューションに必要な5つ条件

 

データ盗難やハッキングリスク、プラットフォームリスクに対処するために、次の5つの条件を満たしたソリューションが必要です。

  1. 1.誰からも所有、管理されないこと
  2. 2.ハッキングできないこと
  3. 3.常に動き続けること(ダウンタイムがないこと)
  4. 4.機器の相互運用性(インターオペラビリティ)
  5. 5.人間の手の必要性を最小限にする

 

※ 人間の手を必要最小限にするのは、2つ理由があります。

  1. 1)すべてのプラットフォームリスクに人が介在しているため
  2. 2)人件費が高いため

 

これら5つの条件を満たしたのがDFINITYのThe Internet Computerです。

The Internet Computerとは?

 

世界中に点在する数百万台ものPCやサーバーを接続し、あらゆるシステムやアプリケーションを利用できるようになるのが、The Internet Computer(インターネットコンピューター)です。
現在、PCやスマホはアプリを個別にインストールする必要がありますが、The Internet Computerではアプリをインストールする必要はありません。DFINITY上で稼働するシステム(The Internet Computer)は、あらゆるデバイス、OSで利用することが可能です。

もちろん、The Internet Computerは世界中にシステムを分散化しているため、システムがダウンすることはなく、暗号学に基づいたブロックチェーンを採用しているためハッキングもできません。サイバーアタック対策に必要なコストを抑えられると同時に、ユーザーのシステム利用料金も抑えられるのです。

DFINITYの3つの技術構成

 

  1. 1.データ保管にブロックチェーンを使用
  2. 2.ネットワークのセキュリティを高めるランダムビーコン
  3. 3.ソフトウェアの開発基準であるウェブアセンブリー

 

順に詳細をご説明します。

ブロックチェーンの特徴を生かしたデータ保管

ご存知の通り、ブロックチェーンはハッキング、データ改ざんが非常に困難な技術です。このため、データ保管にとても向いています。
また、データを分散化するため、サーバーの故障や停電などでシステムが動かなくなるリスクをゼロにすることが可能です。現在のサーバーは電源の二重化、システムバックアップなど多大なコストを必要としています。ブロックチェーンを使用し分散化することで、これらのコストも不要になるのです。
さらに、検証可能な共通のデータ保管管理が可能になります。

3つの特徴を持つランダムビーコンテクノロジー

 

ランダムビーコンには次のような特徴があるため、DFINITYはブロック形成にランダムビーコンを採用しました。

  1. 1.非常に強固なセキュリティを構築することができる
  2. 2.処理速度の速いブロックチェーンを実現できる
  3. 3.ハッキングできないシステムを構築できる

 

具体的には次のような流れで実現しています。

1)DFINITYにノードとして登録しているノードの中から、一定数のノードをCommitteとしてランダムに選出します。

2)Committeeに選ばれた複数のノードでブロックの検証と投票を行います。51%のノードが賛成したら、ブロックが形成されます。

3)ブロック形成はイーサリアム、ビットコインよりも速く、かつブロック承認を行うノードが決まるプロセスがランダムなので、スピードと安全性を両立することが可能です。

 

イーサリアムやビットコインのマイニングは、特定の条件を満たすハッシュを最初に見つけたノードによって、ブロックが形成されます(POW)。このマイニングの運用コストは非常に高く、計算スピードの速いノードにマイニングを独占される恐れがあります(51%攻撃の可能性)。
ランダムビーコンを使うと、マイニングできるノードをランダムに決定するため、マイニングの独占を防ぐことができるのです。

 

OSやデバイスに関係なく動作するウェブアッセンブリ

OSとはWindows10やiOS、macOS、Androidなどのことで、エクセルやワードといったソフトウェアはOSによって異なります。例えば、エクセルがWindows用とMac用に別れているように、Windows10のエクセルはmacOSでは動作しません。
そこで、PCやスマホでウェブを見る時に使用するブラウザ(Chrome、Firefox、Safari、Microsoft Edge)で動作させることで、OSやデバイスに関係なくソフトウェアを動作できるようにしたのがウェブアッセンブリという技術です。
なお、2017年にブラウザはウェブアッセンブリに対応しました。最新版のブラウザを使っていれば、ウェブアッセンブリを使用できます。

今後の展望

 

プラットフォームのリスク、ハッキングから逃れられることは、ビジネスにとって重要な意味を持っています。
企業はビジネスに集中できるようになり、投資家にとって魅力的な企業になるでしょう。開発者は開発するシステムにのみリソースを注げるようになります。さらに人件費を抑えることで、新たな可能性が誕生するかもしれません。

AWSのCEO、Andy Jassyはこう述べています。
「今までの30年から大きく変貌し、オペレーティングシステム(OS)そのものが、インターネットになるだろう」

<備考>
AWSとDFINITYは、共にOSに依存しない形の方向を向いており、DFINITYは分散型(非集中型)で、AWSは中央集権型(集中型)で実現させようとしています。

高い関心と期待 〜参加者の声〜

 

多くの方々がミートアップに参加され、非常に高い興味関心をお持ちで、とても活発な意見交換や交流がありました。

一部を抜粋すると・・・

質問:このプロトコルは、パブリックブロックチェーンか、プライベートブロックチェーンか?」

回答:パブリックブロックチェーンです。その代表であるビットコインは、POWを採用しています。確かにブロックに格納されるデータは確かなもので、ハッキングされたことはなく、システムがダウンしたこともありません。しかしながら、ビットコインの運用コストは非常に高く、かつ計算スピードの速いノードにマイニング報酬が独り占めされる恐れがあります。また、そのノードがデータを書き換えたり、先に内容を確認して悪用する可能性があります。しかし、ランダムビーコンであれば、これらを心配する必要はありません。スピード、安全性、どちらも確保できるのです」

質問:イーサリアムのガスのようなものはあるか?」

回答:あります。それがDFNトークンです。システム開発者は、DFNトークンを一定量、あらかじめシステムに格納しておきます。このトークンが使い果たされるまで、システムは動き続けます。システムが稼働し続けるためには、開発者、あるいはユーザーがトークンを払い続ければいいだけです」

また、別のミートアップ開催者や、Twitterのフォロワーさんも多数来場されるなど、とても満足度の高いミートアップでした。

引き続き、Ethereum Japanはミートアップを通じ、Ethereumの認知を目指します。

 

 

イベント開催の最新情報は、こちらから。
https://www.meetup.com/ja-JP/Ethereum-Japan/

プロジェクトHP:https://dfinity.org/

Youtube:DFINITY Ethereum Japan/ September 9th 2018

URL:https://www.youtube.com/watch?v=Ikf7nUcTicg